関係代名詞[that]の非制限的用法?<緋色の研究 編>シャーロック ホームズ・11

例文

[Here I rallied, and had already improved so far as to be able to walk about the wards, and even to bask a little upon the veranda, when I was struck down by enteric fever, that curse of our Indian possessions.]

 本編、『緋色の研究』(シャーロック・ホームズ)の続きです。

単語の意味

rally(ˈræli)=回復する(自動)
so far as ~=~まで
ward(wɔːd)=病室・中庭(名)
bask(bɑːsk)=日光浴をする(自動)
enteric fever(ɛnˈtɛrɪk ˈfiːvə)=腸チフス
curse(kɜːs)=呪い(名)、を呪う(他動)、呪う(自動)
possession(pəˈzɛʃən)=所有・財産・領土

構造

[Here I rallied, and (I) had already improved so far as to be able to walk about the wards, and even to bask a little upon the veranda, when I was struck down by enteric fever, that curse of our Indian possessions.]

文法事項

2つのand

[Here I rallied, and had already improved so far as to be able to walk about the wards, and even to bask a little upon the veranda, when I was struck down by enteric fever, that curse of our Indian possessions.]
 1つ目の[and]と2つ目の[and]では、階層が異なっています。

 図示すると上のようになります。
 最初の[and]が大きく2つの文に分け、2つ目の[and]は、[to be able to walk about the wards]と[to bask a little upon the veranda]を並列しています。
 [and]が出てきた場合、階層に要注意です。

関係代名詞[that]の非制限的用法?

[~, and even to bask a little upon the veranda, when I was struck down by enteric fever, that curse of our Indian possessions.]
 で、[, that ~]の部分があります。
 一見すると、関係代名詞[that]の非制限的用法に見えます。今は文法的にこの用法は用いられていませんが、昔は用いられていたようです。『緋色の研究』は初出が1887年ですから、130年以上前の本です。なので、この用法もありかもしれません。ではどうなのでしょうか?
 もし、この[that]が関係代名詞の非制限的用法である場合、[course]が動詞か(主格の関係代名詞)、[possessions]が動詞でなければなりません(目的格の関係代名詞)。
 可能性としては、次の3つがあります。

1 [curse of]を自動詞+前置詞とみた主格の関係代名詞
2 [course of our Indian]を主語、[possessions]を動詞とみた目的格の関係代名詞
3 [that curse of our Indian possessions]全体を名詞とみる

 まず、2はないです。そもそも[possession]は動詞ではありませんし、もし[possessions]が動詞だとすると、三単現の[s]がついていることになりますが、この文の時制は過去なので三単現の[s]はつかないはずだからです。
 また、1もありません。[curse of]を自動詞+前置詞とする用法がないからです([curse at](~を罵る)はありますが)。あったとしても、意味が通りません。
 そうすると、3しかありません。[that curse](あの呪い)という名詞に、[of our Indian possessions](わがインド領所有の/領土の)という前置詞句が結びついているのです。
 ということは、[, that]は関係代名詞の非制限的用法ではなかったということになります。

和訳

直訳調

「ここに、私は回復して、既に回復した、病室を歩くことができるまでに、そしてベランダで少し日光浴をするまでに、その時に、襲われたのだ、腸チフスに、わがインド領土のあの呪い。」

もう少し自然な日本語

「ここに私は回復して、病室を歩くことができるまでに、そしてベランダで日光浴をすることができるまでに回復したが、その時に、我がインド領領土のあの呪い、腸チフスに罹ってしまった。」

今回のポイント

 今回の文は、関係代名詞の主格、目的格をしっかりと理解しているかが問われる文でした。
 単語の品詞を意識していないと英文を読めないことの良い例だったと思います。
 注意点は2点です。

1、関係代名詞の主格、目的格の仕組みを押さえる。
2、単語の品詞を意識する。

---緋色の研究編–11–終---

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