「及び」「並びに」の注意点(リーガル翻訳士の裏側・6)

今回は、リーガル翻訳で要注意な法律用語の話です。
リーガル翻訳で結構厄介なのが、[and]と[or]です。
日本語では、「そして」(並列)と「また」(選択)です。
並列と選択は、通常の日本語では、いろいろ表現されます。
「や」「と」「とか」…
ですが、法律では、
並列の表現は、基本的に2つしかありません。
及び」「並びに
です。
選択の表現は、
又は」「若しくは
です。
たったこれだけで済むのですが、どちらを選ぶかで意味が変わってくるので厄介です。
「A及びB並びにC」
であれば、
大きく、[ABとC]で分かれます。
「A並びにB及びC」
であれば、
大きく、[AとBC]
で分かれます。
ライオン人間
を並列に列挙する場合、通常は、
「ライオン及び犬並びに人間」
となるはずです。
「ライオン・犬」は動物で「人間」は動物と質的に違うという前提での区別です。
「ライオン並びに犬及び人間」
とすると、
「ライオン」と「犬・人間」で大きく区別されます。
区別基準次第ではもちろんそういう区別の仕方もあると思います。
ただ、法律の場合は、区別基準はあらかじめ決まっていることがほとんどですので、自分勝手に判断基準を作るわけにはいかないことが多いといえます。
ですので、「及び」なのか「並びに」なのかは原文の内容を法的に理解しているのか否かで決まります。
日常用語の感覚で「及び」「並びに」を用いると痛い目を見てしまうのが難しいところです。
特に、英語は「及び」も「並びに」も全て[and]ですので、翻訳する場合、かなり難しくなります。

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