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【英文契約書の草案】作成~ドラフティングにとりかかろう!

公開日: : 最終更新日:2015/02/06 英文契約書作成時の注意点, 草案作成 , , , ,

約2400字(読了≒4分)

ドラフトとは?

ドラフト(draft)とは、英文契約内容の草案のことを言います。
ですので、ドラフティングとは、草案作成のことです。
正式な英文契約書の下書きを作成するというイメージです。
しかし、下書きだからと言って気を抜くことはできません。
ドラフティングの段階から既に交渉は始まっているからです。

契約拘束力のない確認方法

種類と目的

  • レター・オブ・インテント(letter of intent;意図確認書)
  • プロポーザル・レター(proposal letter;提案書)

などのスタイルがあります。
これらは、契約拘束力が弱い、あるいはまったくないのですが、交渉の進捗具合や方向性を確認するために有効です。

“shall”と”will”

もっとも、レター・オブ・インテントの中で “shall” という表現は使うべきではありません。
“shall” は契約上の義務(・・・しなければならない)を意味する法律用語だからです。
“will” という表現が “shall” よりも望ましいです。

“will”を使用しても・・・

“will” を使用しても、契約拘束力の有無が争いになることもあります。
ですので、契約拘束力をはっきりと否定したい場合は、
“not ・・・legally binding”
という表現を記載すべきです。
これを記載すれば「法的に拘束されない」ということが明確になります。

英文契約ドラフティングの確認事項と注意点

  • 合意済み事項とこれからの交渉事項とを区別すること

  • スムーズな契約交渉を進めるためには、合意済み事項を重複して確認することは避けるべきです

  • 受諾か拒否かの意思表示を明確にすること

  • →受諾・拒否の意思表示をはっきりと明示しなければ、合意済み事項か否かが分からず交渉が難航しますのでご注意下さい。
    →現時点では具体的回答が困難な場合でも「今日の時点では、その提案を受け入れることが出来ないので、今後の交渉事項とする」というような文言を挿入する必要があります。

  • 契約当事者を明確化すること

  • 2当事者間での契約であれば通常、誰が契約当事者(主体)であるかは明らかであることが多いと思います。
    しかし、2当事者間であっても相手企業がグループ企業の代表として交渉のテーブルについている場合、誰が契約当事者(主体)であるかを常に意識しておかないと、契約書を見て初めて子会社が契約当事者(主体)であったということが生じかねません。
    あなたとなら安心して取引ができると判断したのに、その“あなた”が別人だったとしたらその時点で契約は失敗といっても過言ではありませんので、契約当事者が誰であるかは注意する必要があります。

  • 政府許認可の必要性の有無や強行法規との抵触の有無を確認すること

  • 日本では自由な取引が可能であっても、外国では、独占禁止法などの強行法規に抵触するということがあります。
    それぞれの法体系が異なる以上、そういう事態は起こります。
    <具体例>
    マイクロソフトが OS と “Internet Explorer” の抱き合わせ販売で “European Union” の競争法にひっかかるとして紛争が生じた事件がありました(ウィキペディア【マイクロソフトの欧州連合における競争法違反事件】
    これは、2009年12月に、12種類のブラウザ選択画面を提示するというマイクロソフトからの提案を欧州委員会が受け入れることで解決しました。
    この紛争でマイクロソフトは多大な損害を被ったはずです。
    この事例からしても、独占禁止法などの強行法規との抵触の有無の確認は重要といえます。

  • 契約期間・解除方法・紛争解決方法などのビジネスリスク事項を取り決めること

  • 長期的な物品売買契約・リース契約などの継続的契約においては契約期間の始期と終期を明確に定めることが必要です。そうでないと、いつからいつまで義務を負うのかが不明確となるからです。
    もっとも、継続的契約では、単発的な契約とは異なり契約期間が長いので事情が変更して契約を途中で解約したいと思うことも出てくる可能性があります。
    その場合を想定して、契約の中途解約方法について契約書に記載する必要が出てきます。
    国際取引は突然生じる国際紛争などにより想定外の影響を受けることがあります。
    その影響によりもはや契約を維持する必要がない場合も出てくるでしょう。
    そういった場合は “right to terminate without cause”(理由の如何を問わずに契約を解除することが出来る権利) 条項を規定することも視野に入れて良いだろうと思います。
    <具体例>
    ドルだけが金と交換することが出来る通貨であった時代に、当時のアメリカ大統領が“金とドルの交換を一時的に停止する”という声明を発表したいわゆる“ニクソン・ショック”が起こりました(1971年8月15日)。
    この時に市場が開いていた日本では、『ドル売りが殺到し、日銀がドル買いに走り、日本の外貨準備高が一気に100億ドルの大台を超えるなど混乱した。』(ウィキペディア【ニクソン・ショック】)のです。それにより結局、固定相場制から変動相場制に制度が変わりました。
    1ドル=360円時代が終わったのです。
    その後は、1ドル340円、320円と円が高くなっていきました。
    国際取引においては、外貨での支払いとなり、為替相場次第で取引利益の額がかなり変動してきますから、このニクソン・ショックは当時の国際取引に多大な影響を与えたはずです。
    当時のニクソン大統領は関係国への事前説明をしなかったのですから、誰もそのような発表を知り得なかったわけです。
    国際取引の際には、このニクソン・ショックのような想定できない事態も想定した規定(”right to terminate without cause”)を設けることも必要となってきます。

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